オールドノリタケの盛上梅文花瓶です。1891年頃~1915年頃にアメリカに輸出され、約100年の時を経て日本に里帰りしてきました。「華麗なるオールドノリタケの世界」(森川崇洋/2003・マリア書房)、「The
Collector’s Encyclopedia of NIPPON PORCELAIN」(Joan Van Patten/1979・COLLECTOR
BOOKS)に同作品が掲載されています。梅は日本の職人にとって、親しみがあり描きやすかったと思います。西洋と日本のデザインを融合させた独特な雰囲気の美を創り上げています。余談ですが、1545年6月6日に賀茂神社の例祭に梅が献上された故事があり、6月6日が「梅の日」とされています。盛り上げは、陶磁器を立体的に見せる技法でオールドノリタケの最も代表的な技法です。古くは宋時代の中国や17世紀のイギリスなどにもあったようですが、近代になって広く知られるところとなったのはオールドノリタケによるところが大きいと言われています。今や欧米でも「MORIAGE」という名で通じ程、高く評価されています。装飾方法はデコレーションケーキを飾る時に使用する生クリームを絞り出すような道具を用いて装飾を行います。職人の精緻な装飾技術で、現代では再現不可能な希少な装飾方法です。