オールドノリタケの盛上燕文筋肉人型花瓶です。1891年頃~1915年頃にアメリカに輸出され、約100年の時を経て日本に里帰りしてきました。「横山美術館300選」(2017・横山美術館)、「VAN
PATTEN’S ABC’s of COLLECTING NIPPON PORCELAIN identification and values」(Joan
Van Patten/2005・COLLECTOR BOOKS)に同作品が掲載されています。燕は身近で見られる渡り鳥の一種のため、日本の職人には描きやすかったのだ思います。日本画の伝統的なデザインに西洋の趣きが融和した素晴らしい作品です。周囲に盛り上げ装飾を用いて、迫力ある仕上がりになっています。盛り上げは、陶磁器を立体的に見せる技法でオールドノリタケの最も代表的な技法です。古くは宋時代の中国や17世紀のイギリスなどにもあったようですが、近代になって広く知られるところとなったのはオールドノリタケによるところが大きいと言われています。今や欧米でも「MORIAGE」という名で通じ程、高く評価されています。装飾方法はデコレーションケーキを飾る時に使用する生クリームを絞り出すような道具を用いて装飾を行います。職人の精緻な装飾技術で、現代では再現不可能な希少な装飾方法です。また、オールドノリタケでは多種多様な鳥のデザインを作っていました。南国の鳥である「オウム」、知恵の神として人気の「フクロウ」、野性味溢れる「山鳥」、アメリカで人気の「フライングスワン」、「カワセミ(翡翠)」や「キジ」、「カモメ」などが確認されています。